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カウボーイハット
テンガロンハットとは呼ばない
形(シェイプ)と種類
ハットの被り方
素材
品質
サイズ
ブランド
置き方、保管
手入れ
形(シェイプ)の修整
アクセサリ

品質

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Stetsonの8Xのハット

カウボーイハットにも、品質表記がある。それは”X(エックス)”の数で現され、ハットの内側に "4X" や "XXXXXXXX"の様に刻まれている(Xが多いものは、Xを並べるのが好きなようだ)。Xの数が多いほど、品質が良い。もちろん、値段だって高くなる。

1Xからあるが、よくあるのは4Xか5Xで、品質もそこそこで、値段も手ごろ。日本では2〜3万円、アメリカでは、150ドル前後である。普通はこれくらいがいいだろう。良いカウボーイハットが欲しいなら、最低4X以上だ。

フェルトのハットは、ウールでできているが、Xのより多いより品質が良いフェルトハットほど、一般にビーバーの毛の混毛率が高くなり、硬く、薄く、また、手触りが絹の様にしなやかで、見た目にもより美しくなる。Xが少ないものは、生地が厚く、ごわごわした感じで、ふわふわして腰がない。昔、ハットはふにゃふにゃのクラシャブルハットであったが、後に形を美しく保つためにビーバーの毛が導入されて現在の様に硬くなっていった。

いい物をと考えているなら、10X、20X、30Xがいい。300ドルから500ドルくらいだ(日本で買うと10万円位)。50Xや100Xになると超高級品だ。なお、100Xが最高ではなく、100Xを超えるものもある。最高品質ものは100%ビーバーのハットで、Pure Beaverと表記してあり、アメリカで1,000ドルくらいからある。日本だと30万円以上だろう。

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Stetson 30X (EL PATRON)

そもそも、何十年も前、Xは原料のフェルト自体の品質をあらわす等級で、1Xから10Xまでであった。それがハットの品質をも指すようになった。昔、Stetsonの10Xのハットは100%ビーバの毛でできており、最高級の品質を誇っていた。

今日、Xの評価は各社共通の評価基準はなく、会社ごとの主観評価になっている。だから、他社のXの少ない方がより品質が高いこともありうる(現在では Stetson と Resistol は、ひとつの会社になり基準を共通にしている)。

日本では今でも、「1Xはビーバーの混毛率 10%をあらわし、10Xが100%」と言われているが、これは現在では間違い。1X = 10% はそもそも間違いだ。Xが多いほどビーバーの毛の混毛率は多くなるが、比例しているわけではない。ハットの品質は、材料のフェルトの混毛率だけで決まるわけではなく、フェルトの加工の方法、ハットの加工方法にも影響される。また、ストローハットでも品質をXで表示しているものもある。100%ビーバーのハットは、もはやXでは表現できず、単に、Pure Beaver と書いてある。

現在、Xによる品質は素材だけで決まるわけではなく、ハット自体の品質を表す様になっている。Xが多くとも品質が良くないのもあるし、Xの表記がなくても高級なハットもあるので、単なる目安だと思ったほうがいいだろう。


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