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ウエスタンウエアを詳説 |
そもそもは、カウボーイたちのワークウェアだった。実用的で機能的。野生的でありながら洗練された美しさがある。フリンジや、ごついバックルのように一見飾りに見えるものが、実は実用性を重視した機能だったりする。非常に実用的な乗馬用具として良く考えられていて、あちらこちらの細かい工夫にカウボーイたちの思い入れやこだわりを感じる。究極のアウトドア・ウエア。それがウエスタンウエアだ。
日本では永遠にスタイルが変わらないように語られるウエスタンウエアだが、西部開拓時代より大きく変化してきており、現在のウエスタンシャツやカウボーイハット、ブーツは西部劇に出てくるものとは大きく違う。さらに現代、ウエスタンウエア愛用者は牛の育成に携わるリアルカウボーイだけでなく、ロデオ・カウボーイ、競技馬を育成するホースマン、カントリー歌手、カントリーダンス愛好者、銃の愛好家と様々で、地域や分野によってファッションの好みも違ってくる。また、流行による変化も大きく、時代に合わせてウエスタンシャツやブーツなどはそのイメージを大きく変える。
(2012年3月21日追記)
アメリカのカウボーイのスタイルは大きく2つに分けられる。1つはテキサス、ワイオミング、モンタナ系と、もう一つは、カリフォルニア系である。西部開拓時代に西へ西へと開拓は進んだが、西海岸のカリフォルニアには既にメキシコ経由でカウボーイ達が移り住んでいたのである。カリフォルニア系カウボーイは、スペインの文化を色濃く残し、馬具など装飾が非常に細やかだ。一方、テキサス系は、実用本位。あっさりとシンプルで、仕事の為にならないものには凝らない。大体、一目見れば違いが分かるくらい異なる。
(追記ここまで)
アメリカでは、CMA (カントリー・ミュージック・アウォード)の表彰式にみられるように、ジーンズにセンタープリーツを入れるなど正装としても着られるようになるなど、新しいファッションに挑戦し続けてもいる。泥だらけよりきれいにおしゃれに着る者もいれば、また、一方、西部開拓時代のファッション(オールド・ウエスタン)の愛好者もいる。Dude Ranchと呼ばれる観光者向けの牧場(乗馬施設)は、雰囲気を大切にし、歴史的保存の意味から昔ながらのファッションを着続けている。
リアルウエスタンでは、日本でよく見かける西部劇コスプレではなく、本物のウエスタンファッションを中心に取り上げる。昔のアメリカ西部劇は面白かったが、ハリウッドが創り出した架空のイメージであり、西部開拓時代に存在する部分は殆どなかった。オールド・ウエスタンは、西部開拓時代を忠実に再現しようというファンであり、もちろん、西部劇とも異なる。日本では、今も昔も実際には実在しなかった昔の西部劇映画のいわゆる"カウボーイ"(本当はカウボーイではなくガンマンだったりする)のスタイル、昔のカントリー歌手やハリウッドカウボーイ(芸能人カウボーイ)のステージ衣装をウエスタンウエアだと思っている人が非常に多いが、まったく奇妙だ。日本のテレビ局などのプロデューサーやスタイリストが手がけるのは、西部劇コスプレばかり。アメリカのウエスタンウエアは西部劇コスプレとはまったく違う。近年のアメリカの西部劇でも、過去の西部劇とは異なり、西部開拓時代の服装に忠実になっている。日本のテレビ局が、芸能人をアメリカの牧場に取材に行かせる際、(リアルウエスタンが反対意見を話しても)いつも西部劇コスプレをさせるのは、笑いを取るためだと思われるが、その発想がもう陳腐である。
アメリカでも本物にはない皮製のみやげ物用カウボーイハットが売られていたり、また、日本ではウエスタンショップと名乗っていても本物のウエスタンウエアではないものが多いので、真贋をよく見分けよう。柔らかいハットは、現代では一般的ではないし、日本のウエスタンショップでよく取り扱っているバイカーズ・ウォレットはウエスタンとは関係がない。カウボーイは、腰のまわりにごちゃごちゃと着けることを好まないのだ。馬に乗らないのに拍車やシャップスを付けて街を歩くのはこっけいだ。リアルカウボーイを目指すなら飾りを少なくしてすっきりした着こなしを目指そう。本物のカウボーイウエアは、スマートでシンプルである。本物のウエスタンウェアを紹介したい。
ウエスタンウエアやカウボーイの道具、馬具など、これまで日本ではあまり紹介されなかった、アメリカでの常識を交えて現在の姿を詳説 。
最もカウボーイらしいアイテムと言えば、カウボーイハットだろう。カウボーイハットは、カウボーイにとって体の一部。その日本では殆ど知られていない詳細を紹介。ハットにはフェルト製とストロー製がある。皮製のものも売られているが、単に観光客向けのもので、リアルカウボーイは被っていない。本物のハットは、フェルト製とストロー製とも硬い。
ジーンズは、世界で最も普及しているウエスタンウエアだ。だが、日本で考えられている本物のカウボーイ流ジーンズとは違う。ここでは本物のカウボーイ流ジーンズについて話をしよう。
シャップス、ブルロープ、スパー、リギング、グローブなど、ロデオで使用される独特の用具などがある。スパーやシャップス、サドルなど乗馬用のものと違い独特な用具が使用されている。カウボーイハットやレースアップのブーツなど、ロデオカウボーイを起源とするウエスタンウエアの流行が多い。BARSTOW Pro-Rodeo Equip.(バーストゥ)などで購入できる。バーストゥは大きなロデオ用品販売会社で、多数のロデオカウボーイのスポンサーになっている。
日本でもウエスタンブーツとも呼ばれ、よく愛用されているウエスタンウエアだ。殆どのウエスタンウエアと同様、もともと乗馬用具として便利な独特な形に発達してきた。鐙に足を通しやすくするため、つま先が尖がっていることややヒールが高いことなどである。
ヒールの高さや形、つま先(トゥ)のとんがり具合など意外と様々な種類があり、流行もある。日本では売れているのは、Tony Lamaでつま先がとんがって、ヒールが高いものがしか思いつかないが、アメリカでは、つま先が丸く、ヒールが低く、ソール(靴底)がやわらかいもの(クレープソール)、ウェルト(周囲の縫い目)が2列になった(ダブルウェルト)のローパーが流行していた。2006年頃から一転し、ヒールが高く、つま先がややとんがりぎみで角ばった「スクウェアトゥ」が普及し始めている。
また、レースアップという紐靴を愛用者も少なくない。しかし、2005年ごろにはやや下火に。レースアップに対して、紐がない、よくあるタイプのブーツをスリップオンと呼ぶ。メーカーも様々だ。日本では一つのスタイルしかウエスタンブーツと呼ばないが、アメリカには様々な種類があることを覚えておこう。メーカーには、日本で有名なTony Lama以外にも、Justin、Nocona、Luccehese、Rios of Mercedesなどが有名。
ブーツを履くときは、普通、ジーンズの裾をブーツの中に入れず、外に出して履く。
シャツはもっとも流行の激しい分野だ。ロデオカウボーイ、ホースマン、ダンス愛好者、カントリー歌手など職業によっても大きく異なる。
日本では、テカテカの生地(サテン)で肩に刺繍が入ったり、フリンジのついたシャツをウエスタンシャツだと思っている人が多く、特にスタイリストがアレンジしたテレビで見る芸能人は殆どがこのワンパターンだ。これらはハリウッドカウボーイ(カウボーイ風芸能人)の者で、今も昔もリアルカウボーイ(working cowboy)は着てはいない。実際に着られているのは、一見普通のシャツに見えるようなものが多い。
1990年代、MoBetta(モベッタ)社を中心に燃える炎をあしらったものなど、ラウド・カラーと呼ばれる独特な派手な色柄ものが流行ったが、2000年以降、現在の柄は一転し、無地、または、細かいチェックが主流。街中で着ていても特にウエスタンシャツだと気づかれない感じだが、無地、チェックにしても、割と鮮やかで言葉では表現が難しい中間色の色合いが特徴である。また、昔はスナップ式のボタンのシャツが流行っていたが、近年は普通のボタンで、ボタンダウンが主流である。左胸にワンポイントをあしらったものもある。ロデオカウボーイの影響で襟や袖、背中、さらに、F1レーサーのようにあちらこちらに会社のロゴをあしらったものも増えてきている。
プリント柄は殆ど流行ってはいないが、老人が着ているのを見ることは少なくない。肩に刺繍がはいったものは、ビンテージまたはレトロシャツと呼ばれ、最近、一部の流行に敏感な人が着ていることがある。この場合、普通に着るのではなく、ジーンズから裾を外に出し上着のように羽織って着る。ビンテージシャツを普通に着るのは限りなくダサいので止めたほうが良い。
メーカーは、WranglerかCINCH(シンチ)が多い。CINCHは、近年流行り出し、Wranglerは「20X(トゥエンティ・エックス)」というブランド名で対抗している。一時期、ラルフローレンなどウエスタンのブランドでもないシャツも流行した。コテコテなウエスタンでなく、ちょっと外した感じがおしゃれなのだろう。
カウボーイにとって、大きなバックルには、単にベルトを留める金具以上に特別な意味をもつ。競技会で優勝すると普通はトロフィーを贈呈されるが、ウエスタンの場合、馬術大会やロデオで優勝すると大きなチャンピンバックルが贈呈されるのだ。トロフィーバックルと呼ばれるもので、彼らはこれを誇らしげに腰に付ける。一生懸命勝ち取ったトロフィーを肌身離さず持ち歩けるなんてなんて素敵なことだろう。ウエスタンならではの醍醐味だ。アメリカでは、ロデオの選手の追っかけをやっている女の子たちがいて、彼女たちをこのバックルからなぞらえてバックルバニーを呼んでいる。
バックルには、大きく分けて、いわゆる1枚板のものと、3つのパーツに分かれるスリーピース(または、2つのツーピース)と呼ばれるものの2種類がある。
ブーツのかかとに付ける金具で、これをジャラジャラと鳴らしながら歩く姿を西部劇で見てかっこいいと思った人も多いだろう。反面、あれは何?という質問も多い。
あれはスパー(拍車)という乗馬用具の1つである。乗馬ではいろんな方法で馬に合図を送るが、足で馬の腹を押す動作も主な合図の1つだ。その際、補助としてスパーが使われる。何もつけない足で腹を押すのに比べ、スパーを使うと弱い力で馬に合図をはっきりと分からせることができる。
シャンク(飛び出ている金属の部分)の先端に小さな歯車の様な花車(Rowel)が付いているのは、歯車を馬の腹上で転がす様に使うことにより、当たりがやわらかくありながらも、はっきりと合図を伝えるためである(ブリティッシュ乗馬では花車は付いていない))。拍車は一見怖そうで、馬を脅すため、と誤解されがちだが、懲罰として用いることもあるが、その目的のためにあるのではない。馬の調教が十分だと馬の腹の横で揺らすか、少し触れるくらいで有効だ。スパーのシャンクを突き刺す必要はない。花車があまり尖がったものは使用してはいけない。却って馬が動かなくなる。
乗馬初心者がスパーを使うと、馬をリラックスさせたい状態でも騎乗者が無意識に拍車を馬の腹にあててしまい馬を混乱させてしまうなど弊害もある。乗馬で使用する場合にはインストラクターと相談した方がよい。西部開拓時代と現代では同じウエスタン乗馬でもより進化し、馬への接し方、調教方法、乗馬スタイルも大きく違ってきている。昔の西部劇でよく見かける馬の荒い乗り方を本当のスタイルだと思い込んではならない。
ジーンズの上から履く、股間と尻の部分が開いている皮製のオーバーズボン。乗馬の野外騎乗で潅木の枝などから足を保護してくれる強力なアイテムである。シャップスまたはチャップスと発音する(シャップスの方がやや一般的)。スペイン語のchaparejos(チャパレホス)/chaparajos/chaparreras が語源。
足の部分をジッパーで留めて筒状になったショットガン、足の後ろが開いた部分を3つの紐で留めるバットウィング、丈が短いチンクスなどの種類がある。ショットガンは競技会で良く用いられる。外乗ではバットウィングやチンクスが多い。ロデオ用のシャップスは、バットウィングタイプであるが独特で、非常に派手な色使いで長いフリンジを持ち、足を守る他、動きを派手に魅せる効果を狙ったものである。寒い地域で用いられるバットウィングタイプで毛で覆われたウーリィもある。
短い柄に長い皮製の紐をつけた鞭。牛を追うのに使う。紐の先端が特殊な構造になっており、スナップを効かせて空を切るとパーンというピストルで撃ったような音がでる。鞭を直接牛に当てて使うのではなく、その音で牛を追う。
蓋付きの厚手の鍋で、カウボーイの食事を作るのに良く使われる。厚手であり非常に重く、煮込みだけでなく、蒸し焼き、焼きものなど、利用範囲は非常に広い。ダッチオーブンを使った料理を競う、ダッチオーブンコンテストなどもよく行われている。因みに、カウボーイの料理といえば、豆である。
カウボーイのバックルは何故でかいのかなど知ってそうで知らないウエスタンウエアに関する話。
ウエスタンウエアなどは日本でも入手できる。入手方法をご紹介。
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