リアルウエスタン > カントリー音楽とカントリーダンス

COUNTRY MUSIC & DANCE
カントリーミュージックとダンスの紹介

懐メロじゃない、カントリー音楽を聞こう!

カウボーイの夜のお楽しみと言えば、ホンキートンク(Honky-Tonk 酒場)だ。昔風の言い方では サルーン(Saloon)という。そこでは、バーボンとカントリーミュージックが欠かせない。ビールなら、BudweiserかCoors。そして、ダンスに興じる。カントリー音楽のメロディーは馴染みやすく、何よりも歌詞がいい。

「えっ、これがカントリーなの?」

最近のカントリーを聞くときっと驚くはずだ。日本では、非常に誤解されている。NHKで「カントリーは民謡だ」といっていたが、決して民謡ではない。昔からカントリーは最新ヒットチャートがどんどん入れ替わっていく流行歌なのである。演歌と共通点は多いのかもしれないが、アメリカのポップスといったほうがいいかもしれない。ロックが多く、最近ではラップまである。バンドもドラムとエレキギターという構成である。それにフィドル(バイオリン)、バンジョー、スチールギターが加わることもある。ウエスタン映画音楽か他の音楽などと勘違いしている人も多い。最近のウエスタン映画にはカントリーが使われていることが多いが、昔のウエスタン映画音楽はカントリーではない。日本でもテレビCMやドラマで新しいカントリーがBGMとしてかかっていることも少なくない。カントリーだと気が付く人は少ないだろうが。

NHKで時々特集されるカントリー音楽は、30〜40年も前のカントリーばかりだ。近所のCD ショップでも「カントリーベスト20」などと云うCDが大抵置いてあるが、これも同様。これらは名曲ぞろいではあるが、カントリーのナツメロなのだ。カントリーは流行歌だ。日本ではカントリーというとなぜか古い名曲ばかりが取り上げられる。ぜひ、最新のヒットチャートのカントリーミュージックを聞いてみて欲しい。

新しい波を作ったガース・ブルックス(Garth Brooks)は1990年代の10年間で、1億枚以上のアルバムを売り上げた。これは、ソロ歌手としてはカントリー音楽界だけでなく、世界の全ジャンルの音楽業界で誰も成し遂げられなかった快挙であり、この記録は当分塗り替えられることはないだろう(グループ歌手も含めるとビートルズがトップ)。ファンクラブは巨大になりすぎ、解散してしまった。これほど世界的な歌手が日本で殆ど聞かれないのは非常に不思議なことだ。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアだけでなく、アジアでもワールドツアーを繰り広げる世界的に有名なカントリー歌手がディキシー・チックス(Dixie Chicks)など大勢いるが、日本にだけは立ち寄らない。

アメリカ人の心に深く根ざしたカントリー。カントリーを知らなければ、アメリカは語れない。

CMAアワード

毎年11月に、カントリー音楽の聖地、ナッシュビル(テネシー州、アメリカ)で開催されるのが、CMAアワードである。カントリー音楽のアメリカで最大の祭典であり、1年を締めくくるのが「CMAアワード」であり、グラミー賞に匹敵する。最新のカントリーを聞き、近年のカントリー音楽の傾向を見るのに最適である。

第41回 CMAアワード 2007 獲得アーティスト一覧
アワード名 受賞者
Entertainer of the Year Kenny Chesney
Female Vocalist of the Year Carrie Underwood
Male Vocalist of the Year Brad Paisley
Horizon Award Taylor Swift
Vocal Group of the Year Rascal Flatts
Vocal Duo of the Year Sugarland
Single of the Year "Before He Cheats"
Carrie Underwood
Produced by Mark Bright
19 Recordings Limited/Arista Records
Album of the Year "It Just Comes Natural"
George Strait
Produced by Tony Brown and George Strait
MCA Nashville
Song of the Year "Give It Away"
Bill Anderson / Buddy Cannon / Jamey Johnson
Sony/ATV Tree / EMI Blackwood / Run Slow Music
Musical Event of the Year Tracy Lawrence featuring Tim McGraw and Kenny Chesney
"Find Out Who Your Friends Are"
Rocky Comfort Records/CO5
Music Video of the Year "Online"
Brad Paisley
Directed by Jason Alexander
Musician of the Year Jerry Douglas - Dobro

カントリーダンスとカントリーラインダンス

pic34m.jpg (13149 バイト)
カントリーラインダンス

アメリカの酒場に行くと、ビリヤード台とともに大きなダンスフロアがあって、カントリーミュージックにあわせて踊るカントリーダンスを楽しんでいる。週末ともなると、そこはカウボーイやカウガール達で溢れるのだ。

カントリーダンスは、男女ペアになって踊るダンスで、一見、社交ダンスと似ているが、もっと崩してリラックスして踊ればよい。歴史も古く、ゆっくりとしたダンスから、非常に早いステップや複雑なステップなど、様々な種類がある。中でもツーステップ(Two Step) が最もベーシックでポピュラーなステップだ。とても簡単なステップで一曲踊れば直ぐに覚えられるだろう。これさえ踊れれば、世界中のカウガール(カウボーイ)とダンスができるぞ。これをマスターすればさらに複雑なステップを楽しむこともできる。

一方、カントリーダンスに対して、カントリーラインダンスというものもある。カントリーラインダンスは、カントリーダンスとは異なり、一列になって並んで個々人が同じステップを踊ることからこの名前が付いている。ブーツを映えさせる独特の足さばきが特徴だ。ステップは無数に種類があり、1つ1つに名前がついている。エレクトリック スライド(Electric Slide)トゥシュッ プシュッ(Tush Push)などが有名。カントリーラインダンスは、古い歴史があるわけではなく、アメリカでは1990年代を中心に全米でカントリーファン以外にも大いに盛りあがったが、アメリカでは2000年に入ると一部の女性以外ほとんど踊られることはなくなった。アメリカでは一過性のブームとして終わったが、日本では2008年現在でも男女ともにブームが盛り上がっている。

日本では誤解されがちだが、「カントリーダンスにはカップルダンスとラインダンスの2種類があって...」と言われるがこれは間違いだ。カントリーダンスとは男女カップルになって踊るダンスだけを指し、カントリーダンスにカントリーラインダンスは含まれない。つまり、カントリーラインダンスはカントリーダンスの一種ではなく、別物なのだ。カントリー音楽で踊るというのが共通点だろうか。

カントリーダンス、カントリーラインダンスは、気楽で楽しいのが第一。かっこ悪いとか、音楽に合ってるかなんて気にしなくていい。まずは音楽に身を任せよう。覚えるのは最初は難しそうだが、一度身に付ければ病み付きになること請け合い。見ていても楽しいが、ぜひ、踊ってみよう。ライブハウスで見よう見まねでもいいし、また、日本でもカルチャースクールなどで教えてくれるところもある。

ただし、みんなが楽しくダンスを踊るためにマナーもある。カントリーダンスは、ダンスフロアを大きなドーナツ状の流れるプールのように大きな左回りの円を描きながら踊る。この流れに乗って進もう。進行方向はぶつからないように男性がリードする。また、ラインダンスを踊るときは、この流れを邪魔してはならない。特に、スローな曲などのカントリーダンス用の曲でラインダンスを踊るべきではない。カントリーダンスとカントリーラインダンスを区分けして気持ちよく踊りたいものだ。

★ カントリーを聞くには?

インターネットで聞く
カントリーミュージックとダンスに関するリンクでカントリー音楽が聞けたり、ミュージックビデオが見られたりできる。音楽の視聴やダウンロード販売もある。
 
AFN (旧 FEN) を聞く
AFNは、米軍向け放送で当然、最新のカントリーを流している。カントリーカウントダウンもある。基地周辺のAMラジオで受信可能。
 
ケンタッキーフライドチキンに行く
ほとんどの店舗でカントリー流している。中には、日本のポップスを流している店をあるが、ほとんどは、カントリー。多くの人が実は知らず知らずカントリーを聞いているのだ。
 
CDを買う
タワーレコード HMV などで最新のカントリー CD が手に入る。最新のベストテンがおいてあり、小さな解説の紙が張ってあったりしてよい。他には、amazon.co.jp などでも手に入る。
 
ライブハウスで聞く
何といってもライブは楽しい。日本にも多くのカントリー歌手が活躍しており、生の演奏を聞くことができる。料金も高くない。普通の居酒屋に行くのと同じ感覚で行こう。伝票に音楽代(ミュージックフィー)として一人1,000〜3,000円程度が自動的に加算される。海外ではチップ制になっていることが多い。アーチストの前の瓶に自分がいいと思う金額を入れる。
 
国内のライブハウス一覧
  
イベントに出かける
日本でも時々、カントリーのイベントが開かれる。そういう時に、出かけてみると面白い。全国から、カントリーファン達が押し寄せてくるからだ。凝ったウエスタンファッションをする者、カントリーをこよなく愛する者、ダンスに興ずる者。見ているだけでも楽しい。九州阿蘇で毎年10月に開かれる、カントリーゴールドは、日本最大のカントリーイベントだ。


★ カントリーダンス、カントリーラインダンスを見る、やるには?

ライブハウスに行く
カントリーダンスを体験するには、やっぱりライブハウスに行くのがいい。ここはアメリカか!と思うようなかっこいいライブハウスが、日本にも結構ある。ハットをかぶったカウボーイやカウガールたちがたむろし、ダンスに興じている。
 
入るのにためらうことはない。普通のレストランや居酒屋に行くのと同じ感じで良い。ただ、生バンドが出ているところでは、音楽代(ミュージックフィー)として1,500〜2,500円程度が人数分だけ伝票に自動的に加算される。
 
しばらく、ダンスしているカウボーイたちを眺めていて踊りたくなったら、いっしょに並んで、見よう見まねで踊ってみよう。ついていくのが難しいが、それがまた、楽しくなるはずだ。何も恥ずかしがることはない。みな、最初はそうやって覚えたのだから。うまく踊っている人に声をかけてみてもいい。親切におしえてくれるだろう。
 
国内のライブハウス一覧
 
スクールに通う
踊りたいが、いきなりライブハウスではやっぱり恥ずかしい。落ち着いて習いたいという方には、スクールがいいだろう。結構あちこちでスクールが開かれている。ステップの1つ1つを丁寧に教えてくれる。また、カウボーイ&カウガールの仲間もできるだろう。カルチャースクール以外でも、あちらこちらで教えてくれるところもある。

ナツコ・グレースさん率いるダンシングテキサスは、都内に多くのカルチャースクールで、ダンスを教えている。School を参照。

ダンシング・アパルーサによるレッスンが行われている。 

レッスンビデオを見る
アメリカには、多くのカントリーダンスのレッスンビデオがあるが、日本でも日本語によるレッスンビデオがある。

カントリーミュージックとダンスに関するリンク


hits

Copyright © 1998-2008 Real Western All Rights Reserved.
無断転載禁止