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ブル ファイティング
Bull Fighting

あまり知られていなく、大半のロデオでは観れないレアな種目がブル・ファイティングだ。これはアメリカ式の闘牛(スペインのとは全く違う)で、ロデオの種目では一番若い種目。初めて競技的に行われたのが1984年だから、他の種目と比べると桁違いの若さである。ロデオでやる場合は、最後に行われる。

ブル・ライディングではピエロの格好をしたブルファイター(Bull Fighter)がライダー達を暴れる牛から身を守るために、身を呈して牛の気を引き付けようとするが、それを競技にしたのが、このブルファイティングである。

ブルファイティングではブルファイター が1人でアリーナの中に立ち、普通ブルライディングに使われる牛よりも体格が小さく、スリムで、なおかつ強暴な牛を出す。 牛はブルファイターをめがけて真っしぐらに突進していく。 そこで、40秒間、なるべく牛の近くに残りながらも角に突っつかれない様に避けると言うのがアメリカ式の闘牛。

ブルファイティングで高点数を得るには、牛が突いてくる間、突かれずになるべく牛の近くにいることが要求される。よって、牛の突進を避ける場合も最後の最後まで引き付けてから避けなければ点数は高くない。

審査員は他にブルファイターのコントロールを見ている。このコントロールとはブルファイターが単に牛の突っ込みに対して避けているだけなのか(牛が主導権を握っている)、それとも上手く避けることにより牛を混乱させ、牛がファイターの避けに対応できずにいるのか(ファイターが主導権を握っている)ということである。これ以外にもファイターはアリーナに置かれたバレル(樽)を倒して後ろに回り、牛が突進するのをこれで受け止めたりすることによって審査員にアピール出来る。バレルにはバレルマンと呼ばれる人が入っており、この人はファイターが必要あらばバレルの後ろにすぐ回れるようファイターが牛と絡んでいる間、状況を見てバレルを移動させており、横倒れだとこれが出来ない。よって、ファイターがバレルを使用した場合、使用後は倒したバレルをきちんと立て直さなければ減点となる。また、立て直す際に逆さまに立てても減点となる。

この様な動き以外にもファイター達は高得点を取るべく突進してくる牛をジャンプして超えたり、バクテンして超たりと下手すれば死んでもおかしくない大技を決めようとする。決まれば点数は高いが、失敗すればホラー映画の様なシーンになりかねない。

40秒が経った後、ブルファイターはさらに30秒続けるオプションが与えられ、トータル70秒間牛と立ち向かうことが出来る。当初の30秒闘いきらなければ点数は低くなってしまうが、その後は必ずしも70秒間フルに闘う必要は無く、30秒経過した後、ファイターは帽子を投げることによりファイトを終了することが出来る。この様に帽子を投げて試合を終了させることをロデオ用語で「Sell the Show」(ショーを売る)と言い、アナウンサーもファイターが得点を大分蓄積した際に"I think it's about time he sold it" (「そろそろ売った方が良いと思うな」)などと言うこともある。

点数の取得方法は今ひとつ分かり難いが、それが分からずとも観ていてハラハラドキドキする種目であり、ブルファイティングはまさに70秒間手に汗握る種目だ。