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ブル ライディング
Bull Riding
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ブルライディング(ロデオ)

全米スポーツライター協会によって「世界で最も危険なスポーツ」に選ばれたブルライディング。それもそのはず、ブルライディングとはごつい角を持ち、体重は1トン近くあるにもかかわらず目にもとまらぬ速さで跳ね、捻る猛獣に人間がロープ一本で乗るスポーツなのである。ブル(去勢していない雄牛)は、通常は直線状に跳ねる暴れ馬とは異なり、牛は上下に飛び跳ねる上に、左右にひねりが加わり、スピンもする。牛といえども乗るのは非常に難しく、危険極まりない。降りた後、ライダーに襲い掛かってくることも多く、これで命を落とすことも少なくない。

その危険こそが人を魅了する要素であり、ブルライディングは19世紀後半の発祥以来ロデオの花形種目として最高の人気を維持し続けている。

ライダーはブルロープと云われる平らに編まれたロープで片手を牛の背中に縛りつけ、もう片方の手は空中に上げてバランスを取る。乗っている間、ライダーはこの空に上げた手が自分の体や牛、器具類、地面に触ると失格となる。

ブルライディングも、8秒間乗り切らなければならない。8秒間乗り切らないと失格で得点はもちろんゼロ。また、8秒経ったら、すばやく降りなければならない。

8秒間乗り切ると、ライダーが50点満点、牛が50点満点で採点され、2つの合計が選手の得点として与えられる。牛が乗り難い動きをするほど高い点数がつけられ、乗り難い動きに対しライダーは中央に姿勢を保ち、コントロールを示すほど点数が高くつく。つまり、選手がうまく乗れても牛がそれほど暴れなけば点数は低くなってしまう。 

ブルライディングでは、サドル・ブロンコやベア・バックの様に スパー・アウトやスパーリングはなく、スパー(拍車)をブルの体に突き付けたまま乗る。尚、審査員にアピールする為にスパーリングをし、点数を高めることもあるが、この動作は牛によって投げ落とされる確率を高める両刃の剣でもあるので、余程体勢が整っていなければ出来ない。

一見、ただがむしゃらに跳ねているように見えるかもしれないが牛は一頭一頭唯一無二の跳ねパターンを持っている。ジャンプとキックに加え捻るものもいれば、一箇所で跳ねながら猛スピードでスピンするものもいる。更に、賢い牛ともなると一定のパターンを持たず、冷静に背中で選手の姿勢を感じ取ってはバランスの崩れる動きをしてライダーを振り落とす。

この様な知能と凄まじいスピードとパワーを持った1トンもある牛を8秒間乗り切るには格別なバランス感覚、柔軟性と研ぎ澄まされた反射神経に加え強健な精神が要求される。