| RODEO REPORT |
| 本場アメリカのロデオ界の現状がよくわかる |

![]() ロッド・ヘイ (2003年NFRにて) |
過去において世界チャンピオンに輝き、今年も本命と見られていた選手が次々と負傷を負う中、ロデオ界では予想だにしなかった選手が頂点に立とうとしている。
カナダ、ブラジル、オーストラリアやニュージーランドなど、アメリカ以外にもプロのロデオ団体は存在するが、やはり、ロデオ発祥の地であるアメリカがロデオの本場であることに変わりはない。そのアメリカのロデオ界では現在2つの団体が最も多大な権力を握っている。プロフェッショナル・ロデオ・カウボーイズ協会(PRCA)とプロフェッショナル・ブル・ライダーズ(PBR)だ。PRCAは複数の種目からなる伝統的なロデオを開催する協会であり、PBRはロデオの一種目である暴れ牛に乗る「ブルライディング」イベントだけを行っている会社組織である。
今年最初の波乱はまず、PBRで起きた。過去に2度PBR世界チャンピオンに輝いているブラジル人のエイドリアノ・モライエスはシーズンを通して上出来のライディングの連続で他を圧倒し、2004年シーズン中ほぼ1位を守り続けた。彼が3度目の世界の座を獲得するのは時間の問題と思われた中、シーズンの終盤において、牛に乗る際に使う左腕の二頭筋を骨から引き離す重傷を負ってしまった。絶えがたい苦痛の中で彼は勇敢にもPBR世界決勝戦に挑み、負傷しているとは思えないようなライディングをいくつも見せたが、やはり腕の負傷が災いし、優勝するには至らなかった。悪戦苦闘するモライエスを尻目に、決勝戦において急上昇し世界の座を勝ち取ったのはそれまで殆ど無名のダークホース、満21歳のマイク・リーであった。
マイク・リーは4年間PBRで競ってはいるものの、シーズン中約30ある大会で優勝したのは2002年に一度だけ。2004年でもシーズン中1度も優勝することは無かったが、負傷を避け、着実に点数を稼ぎ、ブルライディング世界王者に君臨することとなった。2004年に大会をいくつも制したモライエスを差し置いての優勝は正に波乱であった。
![]() ビリー・エットバウワー (2003年NFRにて) |
もう一つの巨大な団体、PRCAでは、暴れ馬に鞍を着けて乗る種目「サドルブロンコライディング」で今、波乱が起きようとしている。シーズン中独走を続け、2度目の世界王者の座も射止めるのではないかと見られていた2002年PRCAサドルブロンコライディング世界チャンピオンのオーストラリア人、グレン・オ・ニールがシーズン大詰めの9月に足を折り、世界決勝戦への戸を閉ざしてしまった。彼がいなくなると、2位にいたダン・モーティソンが世界チャンピオンに向けて勢いを増し始め、10月には1位の座に上り詰めた。モーティソンも過去に6度サドルブロンコの世界一に輝いているロデオの大ベテランであるが、今年の世界チャンピオンにはジンクスがあるようで、モーティソンもまた10月のテキサス州ダラスの大会で足首を骨折してしまう。これで、本命と見られていた2人の選手が姿を消し、下のものに世界王者への扉が大きく開かれたことになる。
現在、サドルブロンコ世界ランキングの4位にはグレン・オ・ニールの義兄であり、2004年カナダ・サドルブロンコ・チャンピオンのカナダ人、ロッド・ヘイがおり、彼の直下、5位には過去にこの種目で3度も世界チャンピオンになっているアメリカのビリー・エットバウワーが潜んでいる。ロッド・ヘイは世界王者の経験は無いものの、例年サドルブロンコにおいてトップを争う選手であり、彼が初優勝する可能性は大いにある。しかし、4度目の世界王座を狙うエットバウワーが黙ってこれを許すわけが無いので、誰が勝ち残るかは12月の決勝戦を待たなければならない。
ロデオ界は今、正に波乱万丈。今年は最後まで目が離せない。
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