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RODEO REPORT
本場アメリカのロデオ界の現状がよくわかる

ロデオ界は波乱万丈 (2004年11月20日)

続・ロデオ界は波乱万丈 (2005年3月24日)

ロデオ界は波乱万丈 Vol.3 (2005年9月23日)

ロデオ界は波乱万丈 Vol.4 (2005年10月26日)

ロデオ界は波乱万丈 Vol.5 (2005年12月 2日)

プロ・ロデオ・カウボーイズ協会(PRCA)カナダ・プロ・ロデオ協会(CPRA)の騒動が以前続く中、10月28日、世界最大の賞金額を誇るロデオ、カルガリースタンピードが晴天の霹靂のごとくロデオ界を揺るがす発表をした−2006年以降、カルガリーはPRCA、CPRAいずれの認定も受けず、新たな形式で我が道を行くと。

が、しかし、カルガリーが発表したニュースリリースを読んでも、最終決戦の賞金を5万カナダドルから10万カナダドルに引き上げ、世界トップレベルの20選手が二組に分かれて新たな形式で競い合うこと以外、あまり詳しいことは書かれてはいない。リリースを読むと4つの疑問が頭をよぎる。世界トップレベル20の選手はどの団体に属する選手を指すのか?20人の選手はどの様にして選ぶのか?PRCAとCPRA、いずれの認定も求めない理由は何か?カルガリーの新しい形式はロデオ界にどの様な影響を及ぼすのだろうか?

カルガリースタンピードの新形式

まず、トップレベル選手の構成であるが、新聞カルガリー・サンなどによるとブルライディングを除く全ての種目において5人は前年のCFR進出者トップ5、10人が前年のNFR進出者トップ10で、最後の5人はカルガリースタンピードが選択する招待枠。ブルライディングにおいて当初は前年のCFR進出者トップ4、前年のNFR進出者トップ6、PBRトップ6とカルガリースタンピードが招待する4名で構成する予定であったのだが、後にカルガリーが招待する者を1名だけとし、残りの3枠はPBRに譲ることに変更した。PBRとの交渉でやむなくそうしたのか、ブルライダーの質向上の為にしたのかは定かではない。

カルガリーの新たな形式が他のロデオと異なるのは複数の団体から選手達を招待することだけではない。来年からカルガリーは選手達がロデオに出る為支払わなければならない出場料を廃止し、招待した選手全員に旅費手当てとして1,000ドルを支払うことにしている。しかし、無料で出場でき、その上旅費を貰う代わりに選手達は最低4日間カルガリーに留まり、スタンピードが指定するプロモーションイベントに参加する旨の契約を結ばなければならない。スタンピードはカウボーイクリスマス(毎年7月の意)の序盤に開催されるため、スタンピードでの出場の合間に他のロデオに出場できないことは選手達にとって痛い。が、勝ち取った賞金の平均で1/4が旅費に消えるロデオ選手にとって1,000ドルも旅費が支払われることは夢の様な話でも有る。そのため、他のロデオには出場できないものの旅費が貰えて賞金額も絶大なため、それなりにつじつま合うだろう。

認定を求めぬ理由

では、カルガリーがPRCAやCPRAの認定を求めず、代わりに新しい形式で挑むことを選んだのはなぜか?まず、例年通りCPRAの認定のみを取得してもPRCAにのみ所属している米国の世界トップレベルの選手達は来ない。かと言ってPRCAの認定のみを取得するとPRCAに総合賞金額の5%に相当する額の認定費を支払わなければならないのと同時に、来年から認定条件種目になったチームローピングを行わなければならず、コストがかさばる。それならばということで、新たな選択肢を作り上げたのだ。この形式ならどこの団体にも認定費を払わずにすみ、出場を所属団体にこだわらず世界のトップレベルの選手に限定でき、長年拒否してきたチームローピングを行わずにすみ、全体的に選手の質を向上すると同時にコストを削減することが出来る。

勿論、これは世界最大規模のカルガリースタンピードだからこそできることでもあるが、その他の世界最大規模のロデオもカルガリーの今後の様子を注意深く見守っている。実はカルガリーの根本的改革に携わった一人に北米第4位の賞金額を誇るサンアントニオ・ストックショー&ロデオ取締役事業本部長のキース・マーチンがいた。彼は多額の金を出し、大物カントリー歌手を呼んで観客数を上げることよりも、北はカナダ、南はテキサスまで16の異なるストックコントラクターを雇い、最上級のブルやブロンコだけをロデオで使用することにして、観客と選手双方から喝采を浴びた。ロデオのコストが15万〜20万ドル上がったものの、これは大物カントリー歌手を呼ぶのにかかる費用の1/4足らずですみ、観客を増やすことには同様の効果をもたらした。

ロデオも段階制度へ移行か?

キース・マーチンは来年のカルガリースタンピードに出向き様子を伺うと言っており、彼と共にヒューストン、デンバー、シャイアン、リノ等の最大級ロデオの実行委員会の代表も同行する。マーチンは、カルガリーの新形式の成功次第でロデオもゴルフやテニス、野球やPBR等のように段階式制度になりかねないと言う。

サンアントニオもまた長年チームローピングを行うことを拒んできたロデオであり、来年は認定取得の為メインのロデオとは別の施設でチームローピングを行う様だが、出場選手と出場ストックを限定でき、行う種目を自己の市場に併せて選べるカルガリーの形式には強烈な魅力を感じることだろう。

PRCAは選手達がロデオを変えようと団結して出来た団体であるが、今度はロデオが団結して団体を変えるかもしれない。

PRCAとCPRA関係改善目前?

その団体にも進展が見られている。11月9日付けのカルガリー・サンによると、PRCAとの関係を改善するようカナダの大規模ロデオ、ポノカ、ストラスモアやイニスフェイル、クローバーデイルなどに圧力をかけられたCPRAはPRCAと11月中に会合し、業務提携の復旧が可能かを模索するとのこと。提携が復活しても2006年にカナダで行われるCPRAロデオがPRCAに認定されず世界ランキングに反映されないことは依然変わらず、提携し直した場合、PRCAの認定を受ける為にはカナダのロデオもCPRAがオプション種目と位置付けているチームローピングを必ず行わなければならないことになる。PRCAのトップ選手の参加に大きく依存しており、カルガリーの様に一人立ちすることが可能でない中級ロデオが、関係改善をCPRAに強く訴え出したようだ。

PRCAとWPRA合意に至る

関係改善といえば、PRCAとバレルレーシングの認定団体であるWPRAの騒動にも決着が付いた模様だ。WPRAは競技費を支払うことで同意したものの、額には依然反対。そこでPRCAは年間$200の競技費要求を削減し、全WPRA選手が出場するロデオ毎に$2を追加して払うことで両団体が同意したとロデオ関係者は語っている。

PRCA−苦悩は続く

PRCAは財政難を抜け出しつつあるとの報道もあり、CPRAやWPRAとの関係を改善したかと思えばカルガリースタンピードの新形式というロデオ界の将来像を大きく変えかねない事が起きた。ただでさえPBRの脅威とツアーロデオとエクストリームブルズの破綻危機で苦しめられているのに、カルガリースタンピードの新形式とそれが他のロデオに及ぼす影響と変化はPRCAの苦悩に更に追い討ちをかける事となる。

ロデオ界は波乱万丈 Vol.6 (2006年12月 3日)


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